【営業日誌】社会の棚を見て

営業の油井です。いつもお世話になっております(各方面へ)。このブログが毎週更新されるようになり、充実してきました。三日坊主にならないように工夫したかいがあったようです。しかしほかのスタッフの文章がここまですごいと、じぶんはなにを書いたら良いのか悩みます。新聞をとって社会派の記事を書けるようになりたいです。

さいきん、社会の棚は1、2年前と比べて大きく変わってように思います。政治関係はあいかわらずのラインナップですが、社会問題などは原発の本が多数を占めているようです。以前ですと、政治の告発や冤罪事件の本などが数多くありましたが、今では原発本です。自社は社会問題の本が多く、書店さんの社会関係コーナーをよく眺めますが、さまざまな切り口の本が出ていることがよくわかります。原発関係の本は、社会問題のコーナーにぴったりというか、そこにしか置くことができないジャンルで、専門的になると理工書のコーナーに置かれるようです。大震災以降、手を変え品を変え、あらゆる関連本が出て、2、3ヶ月ほど店頭でフェアをやっている書店さんが多かったかと思いますが、だいぶ縮小傾向にあり、しかし原発関連の本は依然としてたくさん出版されています。小社でもいくつか本を出しています。あまりに本が出すぎていますが、出版の多様性と言えなくもないです。

社会のコーナーは、世を映す鏡みたいなものかもしれません。と言うのは言い過ぎかもしれませんが。前述したように、以前は政治の告発本などが多く、花伝社も社会問題の本を多く出していました。社会の棚は、文芸書やマンガのようなジャンルと比べて、書店さんのなかでも地味で、けっして花形のポジションではないジャンルです。読者もだいたい年配のかただったりして、若いひとはあまりいなく、女性が社会のコーナーにいるのは稀でした。おそらく本を買うまでもなく、ネットや雑誌で充分と考える層なのかもしれません。しかし、あまり人気のない社会のコーナーも、震災以降ではちょっと様相が変わったようで、若いひとが社会のコーナーで原発関連の本を立ち読みしているのを見かけることが増えました。仲の良い書店員さんに聞いてみても、「以前と比べて客層が変わって女性も見かけるようになった」とおっしゃっていたのが印象的でした。

震災以降、社会に目を向けるひとが多くなり、社会のコーナーにひとが集まるようなったのだと思います。原発のおかげで社会の棚が盛り上がるのも不本意ではありますが、地味なコーナーに光が当てられるようになるのはうれしくもあります。原発の本がたくさん出るなかで、自社がどのような本を出すのかが問われているような気がします。