「放射能汚染──どう対処するか」── 親として考えること

3.11からまもなく4ヵ月が経とうとしていますが、福島原発事故の収束が未だ遠いことに不安をいだいています。私が住んでいる埼玉県の街では最近「首都圏の放射能ホットスポット」とマスコミで取り上げられ、親たちが行政に保育所や学校の放射線の計測を求める運動を始めました。行政はやっと重い腰をあげ、先月月半ばから毎週保育所や小中学校の計測を開始。その結果を見ると残念ながら原発からの放射性物質が届いている事は間違いのない事実のようです。私にも保育所に通う小さな子どもがいるので、食べ物や水、遊ばせる環境に気を遣う毎日です。福島から遠く離れた首都圏でも普通に生活することに不安を抱かなければなりません。ましてや福島の子どもたちや、子どもたちを守る立場の親たちのことを考えると胸がしめつけられる思いです。

新刊「放射能汚染──どう対処するか」の制作を担当しました。まさに私たちが今抱える問題をブックレットで平易に解説した1冊です。「第1部 未曾有の危機に対処するための基礎知識」では社会科学、科学史、医学の立場から専門家の方々がそれぞれの立場から執筆しています。複眼的に事態を見つめ、どう対処していくかを考えるために役立つ内容です。「第2部 Q&A「放射能と日常生活」では「水道水は大丈夫?」「野菜や魚への影響は?」等、身近な疑問にQ&A形式で答えているので、小さな子どもを持つ方たちにも参考にしていただけると思います。様々な情報が溢れる中で何が正しいのかを知るのはとても難しいことですが、信頼できる情報源のひとつとして活用していただけると思います。

これからの生活では嫌でも放射能とつきあっていかなければなりません。何が正しく、何を信用すればよいのか・・・。多様な情報を整理して自ら判断していくことの必然性と難しさを一人の親としてひしひしと感じている今日この頃です。(杉浦)