今年もありがとうございました

また間が空いてしまいお恥ずかしい限りです。

さて花伝社は、本日をもって2012年の業務を終了いたします。まずは無事年を越せることを、関係各位の皆様、何よりも読者の皆様に感謝申し上げたいと思います。本当に1年間、ありがとうございました。

思えば2012年は、戦後最大の転換ともいえる2011年の「応用編」の年だったような気がします。2011年3月11日を機に、あらゆる価値や権威の崩壊がもたらされたことは疑いようのない事実ですが、昨年噴出した数々の問題――震災や原発事故だけでなく、それ以前から日本社会に巣食っていた構造的問題に対し、批判や反省のみならず、どういった新しい価値が提唱できるのか、またそうした動きの中で一人ひとりに何ができるのかが問われた1年だったと思います。
弊社でも、問題の告発や社会的不公正への批判にとどまらず、新しい価値を新しい方法で投げかけようとしている人たちの声を集め、それを本として世に問うことを最大の目標として日々の業務に取り組んできたつもりです。
それが果たしてどれほど出来たかどうかは、読者の皆様の判断によるところですが、我々としては依然道半ば、来年以降も同様の目標を掲げて追求していかなければならないと、年の終りの安堵とともに身の引き締まるような緊張を感じずにはいられません。

この12月にわが国の政治体制は大きく変わりました。日本を取り巻く国際情勢も、2012年は激動の1年だったと思います。そういったクリティカルな変化に対し、鋭く問題意識を問いかけていく仕事に引き続き取り組んでいきつつ、政治や社会体制の変化の中で私たちはどう生きていくべきなのか、大げさに言えば「幸福論」を編むような仕事に、2013年は大きな情熱を傾けたいと思います。

2012年に出版された本の数々を眺め、いろいろな思い出がよみがえってきます。1冊1冊の本がもたらしてくれた出会いが、我々の仕事の最大の財産です。2013年も、出版という営みを通じてどのような方とどれくらい出会うことができるのか、期待に胸を膨らませて本年の業務を終了したいと思います。

本当に1年間ありがとうございました。
そして2013年も、花伝社を何とぞよろしくお願い申し上げます。
(佐藤)