【既刊紹介】 石川結貴『子どもとスマホ おとなの知らない子どもの現実』

こんにちは、営業部の白井です。
今回はジャーナリスト・石川結貴先生による『子どもとスマホ』を紹介します。
本書は、おとなと子どもというそれぞれの立場からスマホやネットの問題について解説し、スマホに関する様々なトラブルを防ぐための実践方法を提案する一冊です。


子どもとスマホ  おとなの知らない子どもの現実

子どもとスマホ おとなの知らない子どもの現実


本書の特徴は、親御さんが「子どもとスマホ」を理解するために、とても初歩的な用語から解説していき、その際のことばや表現も「分かりやすさ」に重きを置いていることです。例を挙げると、石川先生は、「スマホ」を「バイキング」に、そしてその中に入っている「アプリ」は「各種の料理」にたとえます。あるいは、ネットへのアクセスの仕方について、通信会社の回線とWi-Fiの違いを、「エアコンの冷暖と暖房」というように表現されています。本書ではこのように平易な比喩でスマホの仕組みを解説しているため、「スマホのことはよく知らない」という親御さんに寄り添ったものになっています。

また内容そのものも、スマホの利用方法やそこで起きたトラブルなどについて、石川先生が取材した豊富な実例は「子どもとスマホ」を理解するうえで非常に役に立ちます。たとえば本書では、スマホからインターネットにアクセスして、「お小遣いサイト」でポイントをかせぎ、そのポイントをギフトカードに換金して、アマゾン(コンビニ受け取り)やiTunesなどでそれを遣う、この「親バレしない方法」の一連の流れや、昨今の社会問題となっている「JKビジネス」がスマホを介してどのように行なわれているのかといったことなどが解説されています。これをはじめとしてスマホの利用方法は多岐に渡りますが、お子様がスマホを使ってどのような世界を見て、そしてどのような人間関係の中にいるのかよく分からない親御さんは、まず自分から進んでスマホを知ろうとするべきだと石川先生は言います。
例に挙げた「お小遣いサイト」や「JKビジネス」は、個人情報の漏洩から暴行被害まで、子どもをあらゆるトラブルに巻き込みます。そこで石川先生は、スマホを購入する際に、親子で話し合っておくべきこと、スマホを使うときのルールとその決め方、ネットアクセスのペアレントコントロールなどについて提案・紹介をしています。

お子様の進学や進級を機に、スマホの購入を考える親御さん、あるいはそれを要望するお子様は多いかと思います。本書は、スマホという今後の社会生活に欠かせないツールとどのように上手く付き合っていくかを教えてくれる一冊であり、そして石川先生が言うように、お子さんの「責任感」と「自立心」を養っていくためにも有用な参考書となるはずです。